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るしな現地レポートNo.19

コミュニティ保険事業

リファー・ファンド(緊急時の医療費貸し付け)始まっています!


 「リファー」とは「伝える」「運ぶ」という意味で、おそらく上位医療機関に急患(情報?)を伝えるということから、この語が保健管理用語として用いられているか、と推測されます。「参照」という意味の「リファランス」も同根語です。

 で、プロジェクトとして具体的に何をするかと言うと、コミュニティー協同組合内で、発生した急患に対して、近隣の公立医療施設への緊急輸送費・(必要であれば)医療費・当座の食費/滞在費等の費用を緊急資金として無利子で貸しつけます。

 カンボジアでは、緊急の際に適切な治療が行われないために、みすみす死期を早めてしまうような事例が、潜在的にはかなりある、と見られます。その背景として、

1)州病院・郡病院等の対応やサービスが非常に悪く、住民の信頼を得ていないこと

2)国際援助による無料の医薬品(在庫がない場合もあるが・・・)のサービスがあることが住民に周知されていないこと(公立病院の医師が、私立診療所の医師も兼ねており、まず、私立の診療所を経由させるという悪しき慣例も過去にあったが・・・)

3)農村部の住民にとって遠くの見知らぬ公立病院に行くことは、緊急の際の選択肢にのぼらないこと

4)緊急の際のお金が各家庭にないこと、交通費はもとより、ベッド代、付き添いの滞在費等、薬品は無料でも入院には経費がかかること

等々が挙げられるかと思いますが、このリファー・ファンドを各協同組合にもうけることで、緊急時の公立医療施設へのアクセスを容易にすることが可能になります。

 運営の仕方としては、通常はその資金をリファー・ファンドとして、各協同組合(CC)に別個の資金としてプールし、CCの中のCHS(CC・ヘルス・セクター:コミュニ ティー協同組合保健係)が管理運営します。返済等の作業は、CC役員とCHSが協力して行うことになります。緊急の際の蓄えをもっている家族が非常に少なく、高利子の借金に頼ってしまうことにより土地等の財産を失うことになるケースも少なくないため、地域コミュニティーで緊急時のセーフティーネット(安全網)を少しでも整備しようという試みです。

★☆他団体がこのような活動をしているという話は聞いたことがなく、“るしな”“どさんこ”“CCN”のオリジナル企画です(^-^)。

 以下に導入の簡単なポイントを記載します。

1)初期導入資金は「どさんこ海外保健協力会」、「コミュニティー協同組合ネットワーク(CCN)」、そして、当該地域のコミュニティー協同組合(CC)の三者より拠出する。金額はそれぞれ2000バーツ(46ドル程度)。

2)CHSは原則3名とし、最低でも男女各1名を入れる。マイノリティー女性部会をCC内に設置している場合は、女性部会よりCHSメンバーを選出する。

3)貸付けたリファー・ファンドが返済不能となり、焦げ付きが出た場合には、その金額を、CCの資金で補填することを義務づける。もし、CCが補填を行わない際は、「どさんこ」、CCN共に初期投入資金を回収する。

4)可能であれば、全CCにCHSを設置し、ローラー的に同一プロジェクト(=リファー・ファンド)を導入する。→他団体の保健プロジェクトの競合・混乱は、これまで危惧したほどに、大きくないのではないか?という見方による。

5)タケオのプロジェクトサイトについては、積極的に同地域で活動している他保健団体に協力を呼びかけ、可能であれば、他保健団体のファンドをCCに取り入れる。(「どさんこ」との資金の重複は望ましくないかと考えられるので、他保健団体からの資金導入が可能であれば、その場合の三者は、他保健団体+CCN+CCとする。)

6)活動が活発なCHSに関しては、将来には「どさんこ」CCNから集中的に保健トレーニング等のインプットを行うことも考えている。これは、CHSによるハイ・アウトプットのモデルケースとなることを期待したものである。(具体的には、貸付け分野と統合化されたVHVの活動とほぼ同一の活動となる。)

リファー・ファンドは2002年から導入を進めてきました。2004年度は、バッタンバン、バンチェイミンチェイ、タケオの15CCにCHSおよびリファー・ファンドを導入する予定です。このプロジェクトにより、コミュニティ内で自立した健康増進活動が根付くことを期待しています。

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