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るしな現地レポートNo.5

JICAミッションご訪問

米流通・米の貯蔵品質管理・民衆組織の設立運営支援について情報交換


 これまで、“るしな”とJICA(国際開発事業団、外務省の外郭団体)とはほとんど接触もありませんでしたが、この間、2件ほどミッションの方が“るしな”F-ACT農場をご訪問になるケースが出てきています。  前回は農林水産省の外郭団体のADCAの予備調査、今回はJICAとしての予備調査とのことで、カンボジア政府の方含めて10名に及ぶ御一行のご訪問でした。
 こういったご訪問の背景には、日本政府派遣のJICA職員は事実上、バッタンバン等の遠隔地を「危険地域」として訪問禁止になっていましたが、その禁がここ2ヶ月の間に解かれたことがあります。在カンボディア日本大使館としては、日本政府派遣のスタッフが何らかの事件に巻き込まれることを危惧し、このような措置をとって来られたのですが、草の根の視点から見て、なんとも雲の上の判断か、と驚嘆せざるを得ません。国連カンボディア暫定統治機構(UNTAC)展開が1992年、16万人以上に及ぶ帰還難民を受け入れたバッタンバンにこの7年間、日本政府スタッフはこの地に訪れることが禁じられてたのですよ〜ぉ!!!(ただ、我々民間のNGOスタッフは在留届を出して、当地におりましたが・・・)
 さて、JICAミッションのご訪問の目的は、米流通・米の貯蔵品質管理・民衆組織の設立運営支援について情報交換で、“るしな”プログラムにおいても直結する課題でもありました。ご説明では、カンボジア政府(ここでは農林水産省)もトップダウン型の草の根開発プロジェクトの導入は避けたく、村の取組みに助言する形で政府は対応したいとのこと。“るしな”の経験から言っても、村レベルに行政がトップダウン型で何かを導入しようとすると、汚職等を含む矛盾が噴出することは必至で、官指導が圧倒的な日本的風土から見れば行政の無責任としか見えないこの対応も、現状から見て妥当と言えるでしょうか。
 こちらからの情報提供としては、米の流通を巡る秤等の不正操作、米相場の季節変動、安い先物売りによる農家の損失、村での協同組合事業を巡る状況等です。特に、精米業者・米販売業者による不正な秤の使用は、行政による指導を必要としています。  村レベルでの協同組合結成、共同管理、共同出荷等については、カンボジアでは過去において協同組合の元で強制労働等を行ったため、民衆のイメージもよくなく、結局は誰かの食い物にされるといった危惧も民衆の中で強いため、なかなか導入するのは困難と見られます。“るしな”のようなNGOは民衆の中に入り込んで、金をかけずに手間をかけながら民衆組織の育成に力を注ぐことも可能ですが、JICAのように大きな資金を動かすプロジェクトとなると、それに応じて規模の拡大を計らねばならず、そういった大きなプロジェクトには矛盾を伴い、必ずしも、草の根の民衆組織の育成には向いていないのではないかと考えるのは小生の愚見です。
 いずれにせよ、JICAのような政府直結のプロジェクトを推進される団体が、民衆組織の結成・運営等に関心を寄せられるという傾向は、小生の知る限りでは、近年の特徴的なものです。官指導の地域開発がもっている限界を、民衆サイドでの自発的な発展誘因によって突破し、地域発展の持続性を確保しようという方向性はこれまでNGOが強く推進してきた領域ですが、それに続く形でUNDP等の国連組織が参入し、また、JICAのようなODA(政府開発援助)資金による二(多)国間援助を実施する団体も関心を寄せられるとなると、この領域での官民の境界がなくなってきているというのは、1990年代の地域開発協力事業の傾向と言えるかもしれません。

前回のJICAの方のご訪問はトンレサップ湖の浸水林へのケナフ植樹導入に関してでした。
“るしな”ではトンレサップ湖周辺の浸水林破壊の現状を訴え、大規模なケナフ導入は生態系(特に漁獲資源)への壊滅的な打撃となると説明しましたが、なんでもSVA(JSRC)さんがこの事業に着手されるとか???
当方としてもSVAさんにコンタクトをとってみますが、この件についてご存じの方はご連絡を!

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