本年よりトンレサップ湖生態系調査のプロジェクトを開始しました。
トンレサップ湖周辺の農漁民は日常の栄養・収入を大きくトンレサップ湖からもたらされる魚貝類・かに・エビ・水草等々に依存しています。しかしながら、その生態系は必ずしも安定しているとは言えず、21世紀前半には乾季のトンレサップ湖は干上がると分析する研究者もいます。現実に、漁民への聞き取り調査では広範な魚種において、80年代以降、大きな魚種は激減し、中小魚種も減少しています(漁業局の統計では漁獲量自体は増加していますが、これは漁網等漁獲技術の向上、中小魚種も統計上に反映されるようになってきていること等、漁業資源自体の総量とは別と考えるべきものです)。
本年度、地球環境基金より350万円の助成を受け、活動を実施することができました。プロジェクトは2003年度までを計画しており、本年度は全体の準備的な活動段階です。月に1回のペースで現地調査に出る他、集中調査として、現在、立命館大学で教鞭をとっておられ、27年間JICA(国際協力事業団)専門家として勤務された笠井利之氏に8月現地予備調査に参加して頂き、プノンペンでのメコン河委員会や漁業局、環境省、シェムリアップでのFAOでの情報交換、そして大湖とサンカエ川での現地調査を実施しました。
違法漁業を巡る状況はかなり複雑で、そこに広大な領域に渡る政府による占有漁業区(オークションによる一時的漁業権の貸与)の存在もあり、なかなか一筋縄でいく課題ではありませんが、順次、問題状況を含めて、本ホームページに記載していく予定です。