トンレサップ湖生態系保全プロジェクトのためにバッタンバン市街地より高速艇(モーターボート)でサンカエ川を下っていると、川沿いの土手の浸食が進み、畑や歩道が浸食され、植えてある木が根こそぎ倒れてしまっている光景がたくさん見られます。川は生きているので柔らかい土で作られた土手は遅かれ早かれ浸食されていくのは自然の摂理ですが、写真に見えるように根が洗われ、いずれは倒れると見られる木があまりにたくさんあるのにはビックリさせられます。地元の人に訊くと、「洪水等のせいと言うより、高速艇が頻繁に走るようになって浸食が早くなった」とのこと。プロジェクトの遂行上、小生らも高速艇を使っており、加害の一端を担ってしまっている訳です。
このままにしてはおけないと、川沿いに竹を植えるプロジェクトを計画しました。竹を選んだ理由は、川沿いに植えられた木のうち、竹が最も土をつかむ力が強く、浸食に耐えると考えられ、また、人々にとって竹は非常に利用価値の高い樹木であることが、選択の理由です。
農林水産局・環境局でも、サンカエ川下流域での浸食防止植林の企画はこれまでになかったとのことで、現在調整を進めているところです。プロジェクトの進め方として大きく2通りのやり方があり、1つは苗作りを一環してこちらで責任もって行い、地元の人は植える際に協力するのみというのと、もう1つは苗作りから地元の人の協力を得る方法です。前者は、苗作りや植林の失敗率を押さえ、結果を重視したやり方であり、費用もけっこうかかる。後者は川沿いの人々の参加のもと、竹の苗作りの技術移転を含む環境保全教育的な要素もあり、プロセス重視で、あまり費用はかからないが手間がかかる。苗作りの失敗等の可能性も前者より高い。で、“るしな”としてどちらを選択するかというと、ご推察の通り、後者を採るつもりです。
まずは準備の準備として、我々のF-ACTるしな農場で試験的に竹の苗作りを行い、苗作りの方法の再検討をする。並行して、郡・地区・村長さんと意見交換し、実施にむけた調整をおこなう。等々です。雨季に入っての移植(5月以降)から逆算して、2月には本格的な苗作りに入る予定です。(当初約300本程度、経過によっては1000本まで)